時代とともに多様化する供養
少子高齢化は、さまざまな問題を引き起こすひとつの要因として、行政などでも盛んに議論され、対策が検討されています。日本の少子高齢化は「世界でもっとも進行している」と2006年版「少子化社会白書」でも分析されているほどです。
(国勢調査によると核家族世帯の割合は、1980年から60%前後と高い数値で推移しています。2005年の合計特殊出生率:1人の女性が生涯に産む子供の平均数は1.25と過去最低を更新しました。)
少子化がもたらす問題のひとつに「お墓」も含まれています。
元来、お墓は「家」が永続的に存在することを前提として作られてきました。家の跡継ぎはその家督を継ぎ、さらに次代へと繋げていく。お墓は、先祖から子々孫々に 継承される事を前提とした財産の一つだったのです。
しかし、少子化の進む現代では、それは非常に難しいことになっているのです。
少子化により生まれる「一人っ子同士の結婚」は、どちらかの家の「お墓を守るものがいなくなる」ということ につながるからです。代を経るごとに、お墓を守る世帯の数が減っていくのです。「無縁墓」になってしまうお墓も少なくないのです。
こうした時代背景の中、「永代供養墓」「散骨」「手元供養」などの新しい供養方法が生まれ、注目されているのです。
- 永代供養墓
お寺が責任を持って供養と管理をするお墓。お墓の継承者がいない、子どもにお墓のことで迷惑をかけたくない、と思う方が利用されているようです。 - 散骨
遺骨を埋葬せずに、故人の思い出の地などの海や山に遺灰を撒くこと。
「海洋葬」「樹木葬」がある
※海洋葬:
海に散骨する方法。
故人がお望みだった海へ、また自然に還りたいと願う方に人気があるようです。
※樹木葬:
墓地として許可された里山の林に遺骨を直接埋葬する方法。
「自然に帰る」「死後も大樹となって生き続ける」という点で人気があるようです。